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ライ麦の話  〜五木寛之 大河の一滴より 〜

 土の酸性度とか、病害の問題かなぁ。

 どうも発育が思わしくない野菜の苗があったんだ。

 

 あまりもヒョロヒョロで弱弱しいもんだから抜いてしまおうかと何度か思ったんだけど、「まぁいいか」ってそのままにしていた。

 

 で、今日見てみると、相変わらずの頼りない茎なんだけど、よく見ていると実をつけてるんだよ。

 

 

 

 「おまえさぁ、こんなに弱弱しいのに何で無理して実をつけてんだよ。大丈夫か?」

 

 ・・・なんか、感動してしまいました。

 

 

 そういえば、昔読んだ五木寛之の「大河の一滴」にライ麦の話があったなぁ。

 

≪以下、「大河の一滴」より転載≫

・生物学者ディットマー博士の実験

30センチ四方、深さ56センチの木箱に一本のライ麦の苗を植えて、水をやりながら数ヶ月育てる。

4ヵ月後ひょろとした苗は色つやもそんなによくないし、実もついていない貧弱なライ麦の苗が育つ。

そのあと箱を壊し、ライ麦の部分についている砂をきれいに落とす。

その目に見える根の部分を全部ものさしで測って足していく。

根の先の根毛という細かいものまですべて足していく。

その総延長数は、なんと11,200キロメートルに達するのだ。

それはシベリア鉄道の1.5倍

一本の麦が数ヶ月自分の命をかろうじてささえる。

そのために11,200キロメートルの根を細かく張りめぐらし、そこから日々、水、カリ、窒素などの養分を休みなく努力して吸い上げながら命をながらえる

命を支えるというのは実にそのような大変な営みなのです。

 

そうだとすれば、その貧弱なライ麦の苗に対して、おまえ、実が少ないじゃないか、とか背丈が低いじゃないか、色つやもよくないじゃないかとか非難したり悪口を言ったりする気にはなれません。

よくがんばってそこまでのびてきたなと賛嘆の言葉を述べるしかないような気がするのです。

 

私たち人間は、ライ麦の何千倍何万倍の大きさがあります。

誕生以来一週間生きただけでもすごいなと実は思うのです。

そして十年生き、二十年生きる−。

生きるために私たちが、目に見えないところで、どれほどの大きな努力に支えられているか。

自分の命がどれほどがんばって自分をささえているか。

≪転載 終了≫

 

なんかさぁ、ヒョロヒョロの野菜の苗に深ーい教えを頂いた気分だよ。

 

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