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おんたくだより87号 ごあいさつ

 七月六日、麻原彰晃をはじめとする七人の死刑が執行されました。

 実に逮捕から二十二年が経過してのことでした。

 ご存じの通り、オウム真理教は教団に反対の立場を取っていた坂本弁護士ら家族三人を殺害した事件を皮切りに、長野県松本市でサリンを散布し七人を殺害、その翌年には地下鉄サリン事件で十二人を殺害するなど、数々の凶悪事件を引き起こしました。

 この教団の幹部には科学者や医師、弁護士をはじめ高学歴の信者が多かったことも大きな驚きでありました。

 彼らの多くは、この世の不条理や矛盾に対して疑問や不安を抱いた純粋な人間だったといわれています。

 死刑執行後、被害者遺族の方がこのようなコメントをされています。

「被害に遭われた方には申し訳ないが、私は彼らも被害者だと思っています。オウムの信者の多くが純粋な気持ちを持った若者でした。自分の子供が彼らと同じようなことになっていたとしても不思議ないと思う。ただ、麻原に救いを求めたことが不幸だったと私は思っています。」と。

 

 人は兎角、自分以外のものに頼りすがりがちです。

 万事が順調に行っているときはそれほどでもないのですが、病気になったり、仕事がうまく行かなかったりすると、人に助けを求めたり、「苦しいときの神だのみ」というわけで、迷信に走ったりすることが多くなります。

 自分以外のものに救いを求め、他のものによりかかっていきたいという気持ちは、人間の自然の感情でしょう。

 しかしながら、自分で考え、自分で何が正しいかを見定めなければ、結局、「信用していたのにだまされた」ということになりがちです。

 人間が人間を信じるということは時として危険を伴います。

 彼ら信者が特異な人たちだったのではなく、誰もがあの教団に加わる可能性があった、不幸にも救いを求めてしまったのが麻原彰晃を教祖としたオウム真理教であったのでした。

 いや、彼らがオウム真理教に救いを求めてしまったのは、寺院や僧侶、既存宗教団体の堕落に失望したからなのかもしれません。

 このことを宗教者は真摯に受け止め、大いに反省しなければなりません。

 

 お釈迦様は、人間の性を見通して、

「何が正しいかを、はっきり見定めることのできる自分を確立してゆくことが大切だよ(自灯明)

 自分を確立するためには、この世のすべてのものは変化し、永久に続くものは一つとしてないという無常の真理を理解することだよ(法灯明)

と説かれています。

 

 お釈迦様の教えの素晴らしさを改めて感じます。

 

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